副社長は束縛ダーリン
社長令嬢で大学の同期なの!?
付き合いが長いという事実にショックを受ける。
同業者だから、こうして顔を合わせる機会は今後も続くだろうし、なにより悠馬さんを狙っているような言動を取っていたことが気にかかる。
「どうしよう、悠馬さんを取られちゃう……」
分かりやすくオロオロする私を、ユッコは「落ち着きなよ」と、背中を撫でて慰めてくれる。
「副社長は浮気しない人だと思うよ。お嬢様の誘いを断ってるような言い方をしていたし、今邪魔しに行くことができなくても、まさかこの場で取られることはないでしょ」
私の中にも、悠馬さんの浮気を疑う気持ちはない。
彼は私を束縛するほどに愛してくれて、一途な人だと信じている。
そう思っていても、不安になるのはどうしてなのか。
フィットネスクラブで味わわされた、度重なる敗北感が尾を引いているのかもしれない。
それに加えて彼女はセレブなお嬢様で、大人っぽい美女。
どう考えても私なんかより遥かに悠馬さんに相応わしく、彼を信じていても、取られる気がして仕方ないのだ。