副社長は束縛ダーリン
「悠馬さん、会社を休ませてごめんなさい。
私はもう大丈夫ですから、出社してください」
「スケジュールは調整してあるから問題ないよ。今日は家で仕事をしながら、朱梨を見張らないとね」
「見張る……?」
聞き返して首をかしげた私に、隣に立つ悠馬さんは真顔を向けた。
「俺が出社したとしたら、朱梨はこれからなにをするつもり?」
「ええと……シャワーを浴びて、それからレシピを考えて、家で試作品を少し作ろうかなと……」
「ほらね」と言われて、背後に回った彼は、パジャマ姿の私の体を拘束するように抱きしめる。
「今日明日は仕事をしてはいけないよ。食べて寝るだけ。熱が完全に下がるまではシャワーも駄目。後で体を拭いてあげるから」
「ええっ!?」
それは恥ずかしいから勘弁してもらいたいと顔を赤らめつつ、仕事禁止の命令には慌てていた。
ただでさえ時間がないというのに、のん気に寝ていたらレシピを完成させられない。
肩越しに振り向いて意見しようとしたら……唇を奪われてしまう。