副社長は束縛ダーリン
「社長、私は彼女の言うように、こっちのコロッケで勝負すべきだと思います」
「えっ!?」と、うつむいていた顔を悠馬さんに向けると視線が合い、『仕方ないな』と言いたげな、呆れと優しさの混ざった笑みを返された。
「北朱梨の作った、キタアカリコロッケ。そんなキャッチコピーはどうでしょう?
彼女は以前、私の体の三十パーセントはコロッケでできていると言っていました。
コロッケ愛は間違いなく我が社のナンバーワン。幼い頃から毎日のようにコロッケを食べ続けている彼女が、こっちのレシピに勝機を見出しているなら、私はそれを信じたいと思います」
悠馬さん……。
帰ったらたっぷりと叱られることは予想していたけれど、まさか味方してくれると思わず、驚いた後には胸に熱いものが込み上げる。
ときどき勝手なことをする私を、悠馬さんは結局許して、助けてくれる。
そんなところが、たまらなく大好き……。
悠馬さんの援護に励まされ、私は社長の前に立つと、深々と頭を下げた。
「お願いします、このレシピで勝負させてください! これが私のコロッケなんです!」