副社長は束縛ダーリン
どういうこと……?
続きが書けずに、半開きの口で悠馬さんを見つめるだけの私。
すると彼が片手を伸ばして私の頬に触れ、親指の腹でそっと優しく撫でた。
「まだ早いと思ってる?
俺は交際を始めた日からずっと、朱梨と結婚したいと思っていたよ。誰にも渡す気はない」
「悠馬さん……」
「戸惑わせているなら、もう少し待ってもいいけど、なるべく早く妻にしたい。心配なんだ。
朱梨はいつも勝手なことをするから。
朱梨をコントロールするには結婚が最良の方法だと思うんだけど……嫌?」
嫌なわけがない。
短い交際期間を考えて、口に出さないようにしていただけで、私の方こそ彼のプロポーズを待ち焦がれていた。
大きな驚きの波が引くと、心の中には喜びが溢れて、目が潤む。
「嬉しいです。こんな私が、悠馬さんのお嫁さんになれるなんて……」
優しく微笑む彼は「よかった」と頷いてから、私がテーブルに置いてしまった白いケースに手を伸ばし、指輪を取り出すと、左手の薬指に通してくれた。