副社長は束縛ダーリン
キャハハと笑う三人に、悔しさが込み上げた。
私は『あの程度の女』でも構わないけど、悠馬さんのことまで、趣味が悪いと馬鹿にするなんて……。
私が一緒にいるせいで、彼の評価を下げてしまったと落ち込みそうになる。
思わずフォークを置いたら、悠馬さんがテーブル上で私の手を握ってきた。
きっと彼女たちの会話は、彼の耳にも届いていたと思う。
それなのに、私のような悔しさはないようで、小さく首を横に振って、彼は優しく微笑む。
「気にしないで。俺にとって朱梨は、最高にかわいい恋人だよ」
「悠馬さん……」
「プレゼンがあるんだ。これを渡せば、朱梨に笑顔が戻るかな?」
彼がテーブル上に置いたのは、ジュエリーブランドの細長い白い箱。
その形状から、中身はネックレスではないかと予想できる。
さっきの慰めの言葉とともに、彼が用意してくれたプレゼントは、私の心を温めてくれる。
ドキドキしながら、ピンクのリボンを解いて箱を開け、その中のネックレスケースを取り出し、そっと蓋を開けると……。
「綺麗……」
プラチナチェーンのネックレスで、ペンダントトップはオープンハートの中にダイヤモンドがはめ込まれ、かわいらしいデザインだ。
私の好みにピッタリで、お礼を言って頬を綻ばせつつも、ダイヤの粒の大きさに、高いのではないかと値段を気にしてしまう。