副社長は束縛ダーリン
このネックレスだったと、彼に言われて思い出した。
私が忘れていたことを、三ヶ月以上経った誕生日まで、覚えていてくれたなんて……。
感謝の気持ちと喜びに包まれて、早速ネックレスをつけ、満面の笑みを向けた。
「悠馬さん、嬉しいです。ありがとうございます。一生、大切にします!」
「一生って、大袈裟だな」
彼は機嫌よさそうに笑っていて、でも値段への不満は捨てきれない様子。
「朱梨が気に入った物がいいと思って買ったけど、誕生日プレゼントとしては安すぎるよ……。
今度、もう少し高い品物を扱う、ジュエリーショップに行こうね」
せっかく温かい気持ちになっていたのに、私の笑顔は引きつったものになる。
私たちって、金銭感覚も釣り合ってない。
御曹司の副社長と、ど庶民の平社員だから、それは仕方のないことだけど……。
ケーキを美味しく食べ終えて少しすると、私は彼に、お手洗いに行くよう指示される。