【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「そのかわり、詩乃ちゃんも同行して」
そう言われ、眉をひそめる。
「私、ですか?」
パーティーなんて絶対イヤだ。という本心がつい顔に出る。
そんな私の気持ちを見透かして専務が楽しげに笑った。
無愛想な上に人見知りの私がパーティーなんて絶対場違いだ。
専務にも迷惑かけるに決まってる。
秘書室に戻り頭を抱えていると、先輩秘書の大野さんに「どうしたの?」と声をかけられた。
「大野さん来週のパーティー、参加されます?」
慌てて背筋を伸ばしてたずねると、大野さんは当然、といった表情で頷く。
「奥様から私のサポートがあった方が安心だから、同行してって頼まれてるわ。冬木も専務に頼まれた?」
「そうなんです……」
「ま、仕事だから頑張って」
さらりと言われ、顔をしかめる。その様子を見ていた桃井さんが体を乗り出してきた。
「いいなぁ! ホテルでやるレセプションパーティーですよね? 冬木さんが行きたくないなら、代わりに私が行きましょうか?」
キラキラと顔を輝かせる桃井さんの額を、大野さんがペシンと叩いた。
「あんたは呼ばれてないでしょう」
「えー?」
不満そうに頬をふくらませる桃井さんに、「ぜひお願いします」といいかけた唇を閉じる。