【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
パーティーと猫耳の謎
パーティーの当日、私と大野さんは秘書室に併設された、大きく綺麗なパウダールームの鏡の前にいた。
いつもは後ろでひとつにまとめている私の髪を、大野さんがコテを使って器用に巻いていく。
前髪は横に流し、ふわりと下ろされたセミロングの髪を器用にハーフアップにする。
パーティーに出席するためにと用意した私のシンプルな黒のサテンのドレスに、「これじゃあちょっと胸元がさみしい」と大野さんが自宅から持ってきたパールのネックレスを合わせてくれる。
「あとはメイクね」
そう言って、四角く大きなバニティポーチから、上品に光るラメのアイシャドーを取り出し、私の目元につける。
「冬木は色が白いから、チークとリップはピンク系かな」
楽しげにそんなことを言いながら、私の顔をいじくる大野さん。
こうやって人にメイクをしてもらうのははじめてで、どのタイミングで呼吸をすればいいのかわからなくて、ひたすら身を固くしていた。
「さぁできた」
そう言って、私の前から大野さんが体を引くと、目の前の大きな鏡には、ドレスアップした私の姿が映っていた。
いつもは無愛想で貧相な私の顔が、うそのように華やかに見える。