【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「変でしょうか……?」
ちらりと視線だけあげて専務の表情を窺うと、専務は「いや」と口元を押さえながら首を横に振る。
「可愛くて、見惚れてた」
「またそういう冗談を」
いつものように私をからかう専務に、思わずリラックスして息を吐き出す。
そして改めて専務のことを見つめた。
ダークカラーのスリーピースに、シルバーグレーのネクタイを締め、胸元にはポケットチーフ。
普段は無造作に流している髪の毛を、今日は軽くセットしていて、なんというかものすごく色っぽい。
こんな華やかな人の後ろに無愛想な秘書が立っていたとしても、みんな専務に目を奪われて私のことなんて気にしないだろうなと、少し気が楽になる。
「じゃあ、行こうか」
そう言って専務が笑った。