【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
由緒正しい有名ホテル。
そのホテルの大広間で、パーティーは行われた。
鮮やかな色合で美しい模様を描くふかふかの絨毯に、高い天井から光を降らす豪華なシャンデリア。
そして、食品業界のパーティーとあって、用意されたフードも超豪華だった。
ずらりと並んだ美味しそうな料理。
可愛らしく盛り付けられたフィンガーフードにデザート。
世界中のお酒を用意したんじゃないかと思うほど多種多様なドリンク類。
思わず目を奪われていると、専務が私の耳元で笑った。
「詩乃ちゃん、キウイはダメだよ」
からかうような声色に、思わず赤面して意地悪な専務を睨む。
「もしキウイを食べるなら、俺とふたりっきりの時にしてね」
「安心してください。もう二度と、キウイは口にしませんから」
またあんな失態をさらせるわけがない、と眉をひそめながら言うと、専務は「残念」と喉の奥で笑った。