【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「そうやって猫耳つけて尻尾振ってれば、いつかあの御曹司が同情して抱いてくれるとでも思ってんの?」
「そういうわけじゃ」
「成り行きで抱かれてうまくいけば、恋人になって玉の輿にのれるとでも思ってんの?」
「そんなこと……!」
「卑怯な女」
そう言って、千葉くんが冷たい目でこちらを見る。
「あの御曹司が、本気でお前なんかを相手にするわけないだろ。ただ猫耳が生えた女が珍しくて面白がってるだけだ」
そんなこと、わざわざ言われなくたって分かってる。
専務にとって私は、からかいがいのある秘書だってだけだ。
「それに、あの男。婚約者がいるぞ」
「え……?」
驚いて顔をあげる。
千葉くんの言葉に、ひどくショックを受けていた。
専務に、婚約者が……?
呆然とする私に、千葉くんは冷たく言った。
「綾崎グループのイケメン御曹司が東南アジアの財閥の令嬢と婚約するって、うちの業界でも噂だぞ」
「嘘……。そんなの、知らない」