【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい

静かな雨と広いベッド

 





「おはよう詩乃ちゃん」
「……冬木です」


いつものように笑顔を浮かべる専務に、硬い表情でそう返す。
すると、専務が小さく眉を上げ、足を止めた。

「詩乃ちゃん、なにかあった?」
「いえ。今日のスケジュールの確認をしてよろしいですか?」
「詩乃ちゃん?」
「九時から全体朝礼、十時から会議が入っております。資料はここに用意してありますので、朝礼前に確認してください。会議後、シンガポールにいる副社長と電話打ち合わせ。昼食は会食が入っております。今日は雨ですので移動は乾さんの車で……」

目を合わせないまま早口でスケジュールを読み上げていると、突然肩を強く掴まれた。
驚いて顔をあげると、すぐそばに専務の顔。
するどい視線でじっと私のことを見ていた。

「詩乃ちゃん、なんか怒ってる?」
「いえ……」


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