【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「専務は優しいし、責任感の強い人だから……」
「優しさと責任感だけで、そこまでするか?」

疑うように睨まれて、気まずくて口をつぐむ。

「御曹司となにかあったのか?」
「別に……」
「って、わざわざ聞かなくても、なんとなくわかるけど」
「……」

私の足元から頭の天辺の耳まで観察するように眺め、千葉くんはため息をついた。

「試してみたのに、無愛想猫、成仏しねぇんだ?」

全てお見通しだという口調で言われ、私は諦めて肩を落とした。

「……クミコさんが」
「クミコって、前に言ってた霊能力者だっけ?」
「そう。ちゃんと愛がないとダメだって。私を好きだって思ってくれる相手と、じゃないとダメなんだって」

そう自分で言って、情けなくて泣けてきた。

分かってたはずなのに。
専務は私のことを、好きでもなんでもないんだって、改めて思い知らされて苦しくなる。

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