【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
だけど、当たり前のように『俺も手伝う』と言われて、すごくすごく嬉しかった。
「最初はお前のこと真面目でつまんない女子だなって思ってたのに、俺の言葉ひとつで真っ赤になったの見て、やべぇって思った。こいつ、すげぇ可愛いなって思った」
そんなことを言われて、どんな表情をしていいのかわからなくなって、思わず手の甲で口を覆って俯いた。
そんな私に千葉くんが近づく。
「いつも無表情なお前が、こんな顔するって知ってるのは俺だけなんだって勝手に優越感に浸ってた。ちゃんと好きだった。本気で付き合いたいと思った。それなのに」
そう言って、千葉くんは小さく息を吐く。
俯いたままの私の向き合うと、そっと手を伸ばして三角の耳に触れた。
「くだらない嫉妬で、傷つけて悪かった」
千葉くんの指が恐る恐る黒い耳を撫でる。
傷つけないように、痛い思いをさせないようにと、慎重に指を動かしているのが分かった。
「あん時はガキだった。余裕なんてなくて、大人の男にバカみたいに嫉妬した」
「大人の男……?」
意味が分からず首を傾げると、千葉くんはバツ悪そうに小さく舌打ちをした。
「だから、あいつ」
「あいつって」
戸惑う私に、千葉くんは嫌そうな口調で言った。