【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「あの、御曹司様だよ」
「御曹司って、専務のこと?」

首を傾げると、千葉くんは不機嫌そうな表情で頷く。

「どうして専務が? 専務は私が就職してからはじめて会ったのに……」

混乱する私がそう言うと、千葉くんが驚いたように私の顔をのぞきこんだ。

「お前、覚えてねぇの? あの台風の後」
「なにが……?」

千葉くんがなんのことを言っているのかまったくわからずに視線が泳ぐ。
するとそんな混乱する私を千葉くんが強く抱きしめた。

「じゃあ、思い出さなくていい」

強引に抱きしめられ、戸惑いながら小さくもがく。
千葉くんの胸を押し返すと、意地になったように彼の腕に力がこめられた。

「なぁ詩乃。本気で俺と寝てみる?」
「は……っ!?」

耳元でとんでもないことを言われ、飛び上がる。

「なに言って……」

冗談でしょうと笑い飛ばそうとして、でも真剣な表情に言葉を無くした。

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