【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「お、おはようございます……」
恥ずかしくて両手で顔を覆いながらそう言うと、専務はクスクスと笑った。
「なにか夢みてた?」
そう問われ、俯いた顔を上げる。
「私、寝言かなにか言ってました?」
「いや。少し難しそうな顔をして寝てたから」
「えっと。昔の、地元の夢を見てました」
「へぇ。どんな夢?」
興味深そうに身を乗り出してくる専務に、私は首を横に振る。
「ぼんやりとしか覚えてないので……」
地元の夢だったことは覚えているけど、それ以外ははっきりと思い出せない。
そう言うと専務は「ふーん」と意味ありげに笑った。
ベッドの中でシーツに包まりながら、専務の顔に見とれる。
さっきまで見ていた昔の夢よりも、今見ている光景のほうが、よっぽど夢みたいだ。
ずっと好きだったあこがれの人と、こうやって一緒に朝を迎えて笑いあってキスをするなんて、数ヶ月前の私は想像もしていなかった。