【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「俺の運転で行けば向こうも酒を勧めないだろうし、次の予定があるって言いやすいだろ。そのまま帰りは家まで送るから」
いいでしょ? と小首をかしげられ、ぽかんとしながら専務の顔を見上げた。
「俺、安全運転だから安心していいよ」
黙り込んだままの私に戸惑いを感じ取ったのか、専務はそう付け加える。
いえ、別に運転技術の心配をしているわけではなく、専務の車で移動ということは、部下の私は当然下座である助手席に座るということで。車の中という狭い密室の中で、ふたりきりになるということで。
無表情のままそんなことをぐるぐる考えている私に向かって、専務は「じゃ、そういうことでよろしく」とにっこり笑う。
「かしこまりました」
機械のように感情のない声で言い頭を下げる。
しかし、内心とても動揺していた。