【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
驚いて、専務の胸の中でもがいた私を閉じ込めるように、専務がぎゅっと腕に力を込めながら、耳元で低く囁く。
「こんな時まで冷静な秘書でいようとしなくていいから」
後頭部を、大きな手のひらに包まれた。
まるで迷子の子供にそうするように、優しく私の頭をなでる。
「悲しい時は素直に泣いていいから」
その温かい囁きに、喉の奥に押しとどめていた感情が一気に溢れ出した。
嗚咽と一緒に涙がこみ上げる。
もっとハチの健康に気をつけていたら。
今朝、異変に気づいたときに病院に連れて行ってあげていたら。
そうしたらハチは死ななかったんじゃ……。
後悔があとからあとからこみあげて、私は専務の胸にすがりついて子供みたいに泣いていた。