【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「詩乃ちゃん、その耳……」
いやいや、見てほしいのは耳なんかじゃなくて、こっちの尻尾なんですけど。
そう言いかけて、はっとした。
そういえばさっきから、頭にずっと違和感があった。
まさか……。
恐る恐る手を伸ばして自分の頭頂部に触れると、もふもふとした柔らかい手触り。
形を確かめるように、指でその輪郭をなぞる。
私の頭にある、柔らかくてもふもふした三角の……。
「猫耳……?」
私が呆然としながらつぶやくと、専務は絶句したままコクコクと頷いた。
驚きのあまりふたりで顔を見合わせる。
唖然として言葉も出ないまま凍りく。
無音の寝室の中、私のお尻から生えた尻尾がシーツをペシペシと叩く音だけが響いていた。