【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
もしかして、私に気を使って気にならないと嘘をついているんじゃ。
だって、こんな無愛想な女に可愛らしい猫耳と尻尾なんて、似合わなすぎてみっともない。
そう思いながらじっと専務の顔を見ていると、不意に腰に手を回された。
猫耳に唇が触れるくらい体を寄せられ、ドキッとして強張った。
「ちょうど、かわいいペットがほしいなと思ってたんだよね」
専務がそう囁くと、ぴくぴく震える私の三角の耳の先に、一瞬だけ微かに唇が触れた。
「……っ!」
驚きで毛が逆立つ。
そんな私を見て、専務は嬉しそうに笑う。目尻が下がる、ずるいくらいひと懐っこい笑顔で。
「か、からかわないでください! 私はペットじゃありません!」
専務と距離を取り、尻尾をふくらませて威嚇するように睨むと、「ごめんごめん」と専務が微笑む。
「冗談。本当に気にしないで、詩乃ちゃんは今までどおり秘書の仕事してくれればいいから」
そう言われて、おずおずと頷いた。
そんな様子を見ていたクミコさんが、大きなごつい手で口を覆う。
「あらやだ。あんた秘書なの? 猫耳と尻尾の生えた秘書ってエロいわね」
そんなことを言われ、私が動揺して尻尾を逆立てると、それを見ていた専務にクスクスと笑われた。