【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「先輩に感謝しろよ」
「感謝してますよ、本当に」
苦笑いしながらも、専務は少し照れくさそうだった。
届いたドリンクを手に三人で乾杯する。
グラスに入った白桃のカクテルを一口飲んで、その美味しさに思わず口を覆った。
「美味しい?」
その様子を見ていた専務が、私の顔を覗き込む。
「美味しいです。とろっとして、果肉も入ってて」
「それはクラブソーダで割ってるけど、リキュールをそのまま飲んでも美味しいし、アイスとかマスカルポーネチーズにかけても美味しいんだよ」
「へぇ、チーズに……」
専務の言葉に驚いて淡いピンク色のカクテルを見つめる。
たしかにマスカルポーネチーズに合わせるだけで、女の子の好きそうなおしゃれなスイーツになりそうだ。
「苦労して作ったもんな」
専務と私を見ながら、新見さんがテーブルに肩肘をついて笑う。
「苦労しましたね」
当時のことを思い出しているんだろう。苦笑するふたりのことを眺めながら、かっこいいなと思ってしまう。
「このリキュールは、おふたりで作られたんですか?」
私がそう聞くと、専務と新見さんは顔を見合わせて笑った。