【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「あれ、詩乃ちゃん酔ってる?」
電話を終え帰ってきた専務が、私の顔を見た途端そう言って眉をひそめた。
「よってませんよー」
「新見さん、詩乃ちゃんに何杯飲ませたんですか」
専務は私の答えを無視して、新見さんを睨む。
「人聞き悪いな。ぜんぜん飲ませてねぇよ。キウイのカクテルが気に入ったからっていうから、今二杯目かな」
「キウイ……?」
「つぶつぶしてて、おいしいですよー。専務もひとくちとどぉぞ」
難しい顔の専務に、そう言ってグラスを差し出す。
「いやいやいや、なにこの無防備な笑顔」
「詩乃ちゃん、シラフのキリッとしてる時もいいけど、酔っ払うとあどけなくて可愛いね」
専務は笑う新見さんを睨みながら、私の手からグラスを奪い、手が届かないテーブルの端に置く。
「いや、詩乃ちゃんカクテルのニ、三杯で酔うほどお酒弱くないよね?」
「だから、よってませんよ?」
なんで専務はこんなに不機嫌そうなんだろうと、こてんと首を傾げて見上げると、専務が手で額を覆った。