【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
専務が私のことを押し倒したのか、それとも私が専務を引きずり込んだのか分からない。
けれど気がつけばふたりの体がソファーの上に倒れ込んでいた。
体の芯がじんじんと熱くて、頭がぼんやりする。
どうしようもなく体に触れてほしくて、目の前の専務の首筋に額をこすりつけ、ねだるように背中に手を回す。
「こうやってくっついてると、おちつきます」
専務の胸に顔をうずめてそうつぶやくと、目の前の体から大きなため息が吐き出された。
専務の手が私の額を撫で、そのまま頭頂部の猫耳をくすぐる。
気持ちよくて、もっともっとと自分から頭を擦り付けてねだる。
「詩乃ちゃん、具合は悪くない?」
心配そうな声にかぶりをふる。
「大丈夫です。それより、専務の手に触ってもらうの、きもちいい……」
うっとりとしながらつぶやくと、うめくようなため息。
「くっついてるの、いやですか?」
狭いソファーの上で折り重なるようにしている体勢が苦しいのかな? と心配になってうっすらと目を開けると、専務が困った顔で首を横に振った。