【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「いやじゃないよ」
「ほんとうに、いやじゃない?」

確認するように繰り返せば、専務が頷いた。
その返事にほっとして「よかった」と笑うと、専務は額を覆って天井を仰ぐ。

「……すごいな、マタタビの威力」

よくわからないつぶやきに首を傾げながら、専務の体にくっついて耳を擦り付ける。
きっと本物の猫なら、ゴロゴロと喉を鳴らしていると思う。

「専務、いい匂いがする」

鎖骨のくぼみに頬を埋めながらそう言うと、専務がぎこちなく首を傾げた。

「別になにも付けてないけど」
「なんだかすごく落ち着きます」
「光栄だけど、俺は落ち着かなくて死にそう」

そう言って、苦笑いしながら私の頭を撫でる。

「ん……っ」

耳、なでてもらうの気持ちがいい。
もっとなでてほしくて、自分から専務の手に額をこすりつけ、うっとりと目を閉じた。
専務は、そんな私をあやすように指先で耳に触れながら、クスクスと喉の奥で笑う。

「部屋の中、寒くない?」
「寒くないです。逆に暑いくらい」
「じゃあ服、脱がせてあげようか?」

その言葉に、素直にこくんと頷くと、専務は困ったように顔を歪める。

「そこは、いつもみたいに、『からかわないでください!』って怒ってくれないと」
「ん?」

こてん、と首を傾げると苦笑いをする専務。

 
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