【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「なんか俺、今すごく試されてる気がする」
言葉の意味が分からなくてぼんやりしていると、また専務が優しく猫耳をなでる。
気持ちよくて、ゆらゆらと黒い尻尾が揺れた。
「……このまま勢いで手を出したら、明日から絶対口聞いてくれなくなるよなぁ。今まで築いてきた信頼がゼロになるよなぁ」
ぶつぶつと呟きながら、専務が私のことを見下ろす。
なにを言っているのかわからずに体を密着させたまま、首を傾げた。
まるでひだまりにいるみたいに、体がぽかぽかして眠くなる。
ふわぁーとあくびをすると、専務が小さく笑った。
「これは、拷問だな」
ため息混じりの言葉に、不安になって顔を上げる。
気持ちがいいからこのまま寝てしまいたいけど、専務はいやなのかな。
そう思っていると、ぽんぽんと頭を優しくなでられた。
「いいよ。このまま添い寝してあげるから、寝な」
頷いて、専務の首筋に顔を埋め、目を閉じる。
人の息遣いを感じながら眠るのは、どうしてこんなに安心できるんだろう。
肌を通して感じる体温が気持ちよくて、幸せだと思った。