【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「いや、詩乃ちゃんは悪くないよ。事故みたいなもんだから」
「事故?」
どういう意味だろう。と首を傾げると、専務が苦笑いをした。
「詩乃ちゃん覚えておいて。キウイはマタタビ科だって」
「は?」
「キウイはもう禁止だからね」
「キウイ、ですか……?」
わけが分からず戸惑う私に、専務は意味ありげに笑う。
「時間、まだ余裕あるけど一度家に帰る?」
そう言われ、はっとした。
そうだ。今日も仕事だった。
慌てて時計を見れば、時間は五時過ぎ。
今から家に帰れば、シャワーを浴びて準備を出来る。
そう思って立ち上がる。
「送っていこうか?」
「いえ、タクシーで帰るので大丈夫です」
かぶりを振って慌ただしくバッグやコートを掴む私を、専務はクスクスと笑いながら眺めていた。