【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「紐の長さはこんなもんで大丈夫かな?」

「はい、大丈夫です!」





革紐だからぱっとつけられて便利だな。


改めて月星と同じものを身に付けてるんだと思うと少し恥ずかしくもあるけど嬉しくて胸がいっぱいなった。





「ありがとうございましたー!」





そう言ってお店を後にする。



首にかかるちょっとした重さ。

自分の鎖骨らへんを見るときらっと光るリング。

横を歩く彼にも同じものがある。



一つ一つが嬉しい。





「どうしたの?」





ふと月星がそのリングに手をかける。





「いや、なんかな…」





リングを少し持ち上げて何やら内側を見ている。


もしかして錆びてるのかな?


なんて思って私も同じように見ると




Runa × Rino




と刻まれていた。

いつか見た両親の結婚指輪のようだった。





「わ…」

「悪い、何か名前聞かれて…気付いたらこうなった後で…」





と、凄く申し訳そうな顔をする。





「い、今からでも交換してもらうか?」





こんな重いの渡したかったわけじゃなくて…

行くか?って何度も聞かれる。


こんなにあたふたしてる月星見たことない。





「ふふっ良いよ。月星が嫌じゃなければ」

「そ、そうか?
俺も別に嫌じゃないし…なら良いか」





それからまた歩いている内にいろんなお店を見つけては入っていった。





「暗くなってきたな…帰るか」

「うん」





「ありがとう、家まで送ってくれて。
今日は凄い楽しかった!ありがとね」

「おう、俺も楽しかった。
また行こうな?」





私は月星の背中が見えなくなるまで手を振り続けた。



一度、月星も私の方を向き直して手を振ってくれた。


……爽やかな笑顔で。



忘れてたけど、やっぱり整った顔してるんだよね…



顔だけできゅんとさせるのなんてズルイよね……

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