【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「ごめん、幸大くん…ここもう1回説明してもらってもいい?」

「はい、いいですよ!
ここを、こう考えると…」





私と幸大くんの関係の名前は変わってしまったけれど、こうしてたまに授業の合間などに勉強を教えてもらっている。

気まずくなったり、距離を置いたりしなくてよかったのは彼のおかげだ。





幸大くんとお別れした次の日、気まずくなるのを覚悟で教室に入った。

でもいい意味で期待は裏切られた。


今まで通りの笑顔でおはようと言ってくれた。

避けることも避けられることも、予想していた事態は起こらなかった。





「あ、そっかーなるほどね…」

「ちょっと難しいですよね…」





こんなのテストに出されたら分かんないよーって嘆いていると





「…の…!
…璃乃!」

「え?!はい!」





名前が呼ばれていたのに気付いて周りを見渡すと月星と宮野さんがドアのところに立っていた。





「さっきから何度か呼んでたんだけど?」

「ご、ごめん…勉強教えてもらってて…っ」





別に俺でもいいだろ?

そう、幸大くんを見ながらちょっと不機嫌になる月星。

それに対して、爽やかな笑顔で月星にお辞儀する幸大くん。


な、なんだろう…火花が散ってるのが見える…





「…~!
飯、食いに行くぞ!」





と屋上に向かい1人ずんずんと歩いていく。





「委員長も結構やるねぇー」

「月星も大分やられてるな…」





後ろから悠子と宮野さんの声が聞こえる。


な、何だ。何なんだ!


そして悠子はいつの間にそんなに宮野さんと仲良くなった?!

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