【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「お昼、韓国料理店だったでしょ?」

「…はい」

「下見に行った時に見つけたんだよ」





ふと

『この前、美味そうな店見つけたんだよ』

月星のその言葉が頭の中に浮かんできた。



…その時に見つけたお店だったんだ。


そんなに楽しみにしててくれたんだ…





「待ち合わせ場所にも1時間くらい前に着いてたんだよ」





電話もらった時おかしくておかしくて…


って一生懸命笑いを堪えている宮野さん。





「あ、このこと月星には内緒で。
面白かったから言っちゃったけど」






最近、宮野さんはよく笑うようになったし、表情が柔らかくなった。(主に、私に対しての冷たい視線がなくなった…と思う)





「なあ!
今度さ、皆で遊園地行こうぜ…って何でそんなニヤニヤしてこっち見んだよ」





屋上の扉を開けた月星は怪訝な顔をしていた。




あんなの聞いちゃったら…嬉しいですもん。

宮野さんは笑いを堪えてるし、悠子は月星が言う通りニヤニヤしてる。


私も…頬が緩んじゃうよね。





「ふふふ、何でもないよ?
それより遊園地って?」





絶対何でもなくないだろ…

って納得はしてない様子。





「この前さ、テレビでやってたんだよ。
近くにある遊園地がリニューアルしたって」

「へぇー知ってた?悠子」





悠子は首を横に振る。





「あれだろ?
新しく園内におば…」

「おおおおい!」





宮野さんの口を慌ててふさぐ月星。

何やら私達には聞こえないように何かをこそこそ話し合っている模様。





「おば?」





悠子も私と同じように首を傾げる。



何なんだろ?





「…!
じゃ、じゃあ決まりな!」





やたらと焦って決めようとする月星。


別に用事はないし、皆で遊べるから私としては嬉しいけど…



一体、何を隠しているんだ?

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