【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
次の日、月星はいつもと変わらず私の教室へ来てくれた。
少し急ぎ気味に支度を済ませる。
「ごめん、お待たせ」
「おう」
………
心做しか元気がない…?
「昨日はどうしたの?
何か急用ができた…とか」
「…あぁ、うん。そうだったんだよ。ごめんな?」
言葉としてはいつもと一緒なのに…
最初の間が、合わない視線がどうも月星の言葉を薄っぺらくする。
嘘を、言ってるように感じてしまう。
「…そっか。
うん、そんな時もあるよね」
ちゃんと私の目を見て本当のことを言って?なんて心の中で思ってることは言えなかった。
「それと、しばらく一緒に帰れない。
テストまでもうすぐなのに最後まで見れなくてごめんな?」
「…うん、全然大丈夫!
先週教えてもらったし後は自分で頑張るよ」
私がガッツポーズをすると月星は少し安心したような顔をした。
今回はいつもより点数取れると思う!
なんて口で言いながらも、頭では別のことを考えていた。
テストのことより、月星の言葉が。
それでも聞き返すことができない私は臆病者だ。