【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
今、私がいるのは月星の家だ。
実を言えば月星の家にはいい思い出はない。
それでも、そんな悪い思い出もなかったみたいな錯覚に陥る。
…何て平和で穏やかな気持ち。
目の前にはテーブルがあって、その上にはTwincleのグッズ類。
真ん中には月星が買ってくれた1番思い入れのあるグッズ。
なのに肝心の月星がいない。
「…月星ー?」
声をかけると、キッチンからひょっこりと顔を出した。
『そんなに腹減ってたのかー?
ほら、出来たぞ』
両手には出来立てほやほやのカレーライス。
それと同時にいい香りも漂ってくる。
思わず生唾を飲み込んでしまった。
手に持つカレーライスをテーブルに置くやいなや例のごとく、また景色が変わった。