【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
「あ、璃乃!」
「璃乃ちゃん!」
私が教室に入ると悠子と幸大くんが私の元に駆けてくる。
「2人ともおはよう」
対する2人はおろおろした顔をしている。
「あの、昨日は…すみませんでした。
僕が松下くんの後をつけようなんて言ったから…」
幸大くんは律儀な人だ。
幸大くんのせいでも何でもないのに。
「そんな、謝らないで!
それにね?私気付いたの。
月星のこと信じてなかったからあんなに不安になってたんだ、って。
だから…月星のこと好きだから信じることにした。
昨日のことも何か理由があるんだよ。ちゃんと話してくれるまで待ってることにしたの」
私がそう言うと幸大くんは何ともいえない顔をしていた。
「そ、そうですか…」
でもすぐにいつもの幸大くんに戻る。
その日も私は月星と顔を合わせることはなかったけれど、月星からちゃんとした話を聞くまで余計なことは考えないようにした。