【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「改めて思うけど幸大くんもお父さんなんだね…」

「感慨深いですね…
あの時はこんな風になるなんて思ってもみなかったのに」

「そうだね…」





一緒にいた高校時代。

離れていた大学時代。

そして今。


それぞれの選択があって、選んで生きてきた。


過去には考えられないこともたくさんあって、過去の自分が聞いたら驚くようなことばっかり。


そう考えると、私もちゃんと生きてきたんだなって思う。


何の気もなく生きた1日でもいつの間にか積み重なって未来に繋がっている。


気付けば年月が経っている。


本当に感慨深いなぁ…





「松下くんはどうしたんですか?」

「夜ご飯の買出しに行ってくれてるんだ。
今日は豪勢に!って張り切っちゃってて」





誰かの誕生日が来る度に張り切ってお祝いしてくれる月星は本当に幸せそうで、こんな人を好きになれて良かったって心から思う。





「いいお父さんですね」

「ふふっ、そうなんだよ〜
でもここだけの話、ちょっと心配なの」

「なんですか?」

「リナが将来、恋人とか結婚したい人を連れてきた時に暴れないかなって」

「女の子はそれが辛いですよね…」





あれだけリナのことを愛している人が…手放せるだろうか。





「そうなの!私はリナが選んだ人ならって思うんだけど…こればっかりは今考えてもどうにもならないよね」





私は月星と2人でリナを送ることはできるだろうか。


リナの幸せを1番に祈っているのは確か。


でも…そうしたら寂しくなってしまうな。


私を月星の元にお嫁に出してくれたお父さんとお母さんの涙が、今はとても理解できるよ。


私は、とてもとても幸せです…

< 169 / 171 >

この作品をシェア

pagetop