【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
「おっ!ユウタくん大きくなったな!」
「あ、おかえり〜」
両手にいっぱいの荷物を抱えた月星が帰ってきた。
リナが好きなケーキ屋さんの袋もある。
「ただいま。そうか、橋本もすっかりお父さんなんだな〜」
「さっきまでその話してたんだよ、ねっ」
「はい、そうですね」
ふふっと微笑んで首を縦に振る幸大くん。
こんなに穏やかに話している2人を見られるなんて本当に思わなかったよ。
今じゃすっかりパパ友、だもんね。
「時が経つのは早いよな…」
リナを見ながら切なそうに呟く月星も、きっと私と同じようなことを思ってる。
いつか私達の元を巣立って行くその時を恐れてる。
「よし、じゃあ俺は今からとっておきのを作るからな!」
「楽しみにしてるよ!」
「任せとけ!」
それでも、未来を恐るのではなくて今の成長を喜びたいから。
「リナ、7歳のお誕生日おめでとう!」
彼女が巣立って行くまで、それまで私達が守るから。
愛情をたくさんたくさん注ぐから。