【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
「月星、私を選んでくれてありがとね」
誕生日パーティーにはしゃぎ疲れてすぐに寝てしまったリナを寝室に送ってから、私と月星2人だけの時間。
ソファに座って隣にいる月星の肩に頭を預ける。
「そんなのこっちのセリフだっつーの。
璃乃こそ、あれだけ傷付けたのに俺と一緒になってくれてありがとう。
きっと俺は璃乃と出会うために生まれたんだろうな」
「おおげさだよ」
私の頭に月星の頭も重なる。
膝に置く手をぎゅっと握りながら目をつぶる。
「ママーパパー…」
「あれ?起きちゃったの?」
「うん…」
「こっちおいで」
眠そうに目をこすって、よたよたと歩いてくるリナの座る場所を確保するため私と月星の間が空く。
「なんのお話してたの?」
「んー?それはね…」
「ママのことが」
「パパのことが」
「「そしてリナのことが大好きだって話だよ」」
リナをぎゅっと抱きしめる。
暖かい。ちゃんとここにいる。
あの時、月星にきちんと気持ちを伝えたからリナは今ここにいる。
うん、やっぱり…
──私の恋に一片の悔いもない。
誰かと付き合った経験もないうぶだった私が、イケメンでたくさんの女の子と遊んでいたチャラ男と恋に落ちたのは偶然なんかじゃない。
幸せに繋がる道標だったんだ。
【うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで】Fin...