【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


--Runa:Side--


宮野怜央は俺の親友で中学の頃からつるんでる。

今までのほとんどを見てきたからこそ今回の俺の行動に驚いてる。

本人は隠してるようだけどバレバレ。

いつも冷静で俺のことは遠くから見守ってる、みたいな顔が崩れてるからな。


それに璃乃にも近付いてるっぽいし。俺には内緒で。



それで今、怜央と璃乃とその友達の悠子…ちゃんと飯を食うことになったが怜央は黙々と弁当を食うばかり。





「なあなあ璃乃、おいって」





璃乃もここに来てずっと話しかけてるのになかなかこっちを向かない。


…ご機嫌斜めか?


なんて自分でも笑えるようなことを思いながら





「…あの」





と彼女は唐突に口を開けた。





「キャラ…変わりました?
それに璃乃って呼び捨てだし…」





なんだ、そんなことか。


別にキャラなんていくらでも作ってやる。

でも、お前はそんなんじゃ落ちないんだよ。いくら好きそうなキャラを演じても届かない。

だから本心の俺が一番伝わるんじゃないか、とそう考えたんだ。でも


…ここまでするのは初めてだ。

こんなに考えたのもこっちを向いてほしいと執着したのも初めてで俺自身もよく分かってない。


気付いたら本心の俺で接しようと思って、そして何故か璃乃と呼んでいた。



"俺の呼び捨ては特別だ。本気のやつにしか呼ばない"


なんて、はったりだ。


その場で考え付いただけ。


なのに何だろう。

妙に胸の辺りがぞわぞわする。

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