【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
「それじゃ…グッズも並ぶよな?」
「う、うん!」
嬉しそうな顔しちゃって。
見るからにわくわくした顔。俺もつられてわくわくしてる。
「買ってやろうか?」
隣でグッズを見ながらぶつぶつ呟いて、思い切った顔をしたり悩んだり表情がコロコロ変わる。
その悩む理由とはお金の問題らしかった。
買いたいけど買えない…
何か見てるだけで面白くて、もし俺がこれを買ってプレゼントしたらどんな反応するだろうって思った。
俺は買うものもすぐ決めてレジに向かった。
さっき璃乃が諦めたものも持って。
少し後ろにグッズを持った璃乃が並んでる。
もう決まったんだな。
手を振ろうかとも思ったが視線が合いそうになかった。
ずっとある方向を見てたから。
そんなに欲しかったのかよ…笑
「ほらよ」
「え、これって…!」
袋から出して璃乃に渡す。
「金は女のために使うって、それが俺のモットー。
璃乃すげえ欲しそうだったし」
レジに並んでいる間も惜しそうに見つめていたそれを大事そうに抱える。
その表情が本当に可愛くて、でも何か照れくさくもなった。
こんなの別に初めてでも何でもないのに…
「お返し、してくれてもいいんだぞ?」
頬を叩く指が震える。
璃乃は冗談じゃない!みたいな顔で
「他のことでお返しします!」
何て言う。
どうやら、俺の照れ隠しにはこんなことしか言えないらしい。
それでもって璃乃がそれを照れ隠しだと気付くことはないらしい。