【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
「…もう大丈夫。ありがとう」
そう言って俺の顔を見ると
「…!!」
どんどん顔が青くなっていった。
「本当に大丈夫?!
私のせいで…ごめんなさい」
口元を触ると少し痛みが走る。
熱を持って腫れている。
別にこんなのどうでもよかった。お婿にいけない…なんてことも無いし。
それより目の前で顔を真っ青にしながらあたふたしている璃乃を落ち着かせたかった。
冗談を言っても冗談に聞こえていないようだった。
明らかにパニック状態に陥っている。
何とかしたい。
「それじゃあさ…
俺ん家で手当てしてよ」
…は?!俺何言ってんだ。
自分の口とはいえ制御出来なさすぎだろ。
まあ、でも。こんなやつの家になんか来るわけないか。
璃乃はもちろん断るだろうと考えていたのに。
「…分かりました。
手当てが終わればすぐに帰りますから」
了承した。
何かもう頭の中がごちゃごちゃしてる。
"手っ取り早く自分のものにしちゃえよ"
"璃乃こそ大事にするべき相手だろ?!"
よく聞く俺の中の悪魔と天使が戦う、という状態だった。