【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
この前の子から会いたいという連絡を受けた。
学校が終わって外に出ると既にその子が校門前で待っていた。
「会いたくなっちゃったの」
語尾にハートをつけたように言うこの子に
「俺さ、こういうの困るんだわ」
襟のボタンを開けて首元をとんとんと叩く。
彼女ははっとした顔をして少しうろたえた後
「で、でも月星くん今フリーでしょ?
私がそれつけて何が困るっていうの?」
「悪いけど今は本命とか作る気ねぇんだ。
遊びじゃないならこれで終わりってことで」
これが、もし独占欲とかいう縛りが働いてつけられたものだったとしたら。
その気持ちに応えられない。
この関係はもう終わるべきだという結論。相手が悪いんじゃない、こんな考え方でしか付き合えない今の俺が悪い。
「じゃ、じゃあ…最後に1回、土曜日にもう一度会ってくれない?
それで絶対終わりにするから」
ずっと俯いていた顔を上げる。
「分かった」
最後の約束を交わして家に帰った。
「ん、怜央?」
俺が風呂からあがると携帯が鳴って、見ると怜央からLINEYでメッセージが来ていた。
「買いたいもんがあるんだけど明日、土曜日って空いてるか?」
「悪い、用事ある」
そう打つと即座に既読マークが付き
「そうか。
女か?」
「まあそんなとこ」
俺の返信を待っていたかのように怜央から、ため息をついたウサギのスタンプが送られてきた。
それに対して嫌味なくらい笑顔のスタンプを送り返しておいた。