【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


幸大くんとの待ち合わせは11時。


だけど早く着きすぎちゃって…現在10:30。


あと30分をどう過ごそうか…


とりあえず待ち合わせ場所の公園をうろうろしてみる。

まあ、時間は潰れない。





「…暇だ。何でこんなに早くに来ちゃったんだろ」





もっと身支度に時間を割くべきだったのに。





「お姉ちゃん、1人?」

「うん?」





することもなく、ブランコに座っているとツインテールの女の子が話しかけてきた。

迷子?!と思い周りを見ると、お母さんらしき人は誰かと話し込んでいるようだった。


彼女は私のその視線に気付いたのか





「ママね、遊んでおいでって言うんだけどチカ1人だからつまんなくって…」

「そっか。お姉ちゃんもね、待ち合わせしてるんだけど早く着すぎちゃって1人なの。一緒に遊ぼっか!」





私がそう言うと満面の笑みを浮かべた。





「うん!」





ブランコやジャングルジム。公園ってこんなに遊びがあるものだっけ、なんて感じながら携帯の電源を付けると10:56。そして、幸大くんからの『人身事故で電車が止まってて…遅れてしまいます。ごめんなさい! 10:50』の文字。


気付かなかった!

慌てて『大変だね…大丈夫だよ!そんなに謝らないで(*^-^*)』と返信した。





「すみません、うちの子と遊んでいただいたみたいで…」





携帯から目を離して前を見ると、チカちゃんとそのお母さんが立っていた。





「いえいえ!私も1人だったし、とても楽しかったです!」

「チカも楽しかった!ありがと、お姉ちゃん!!」





ばいばいと手を振る。

ううーまた1人か。



そんな時だった。




息を切らした彼が私の肩を叩いたのは。

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