【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
「私は…っ!
……それでもやっぱり、助けることは出来ません…」
「どうしても…か?」
私だって救いたい。
救いたいけど、今ここで月星の元へ行ったら…
もう戻れなくなる。もう忘れられなくなる気がする。
だから、幸大くんを傷付けてしまう。
せっかく私を受け入れてくれたのに、その手を振りほどいてしまうことになる。
「…月星は望まれれば誰とでも付き合ったし女癖は悪かった、と思う。
でもあんたのことは…本気なんだ…」
それでも私は表情を変えない。
「それでも…無理…だよな」
「ごめんなさい。
これ以上、踏み込んでしまったら…私は…」
そんな私の言葉を遮るように
「行ってください」
背後から声が聞こえた。