*ひとひらに*
「・・他に誰がいるって言うのよ。高校生なんだから・・。・・・もしかして・・誘ってる・・?」
「そうとらえてくれていいよ」
「そう、ありがと。じゃ、一緒に帰りましょ♪」
「・・やっぱ君は分からないな」
この時、愛加は初めて帝の笑顔を見た気がした。
いつもの小悪魔のような笑みではなく、純粋な天使のような笑み・・。
「・・お金、とる?」
「とらないよ。むしろ払ったっていい」
「・・・・・・・高いわよ?」
「うん」
「・・・冗談よ・・」
「知ってるよ」
帝は手の甲をみせるように握りこぶしを愛加の目の前に持ってきた。
「手、だして。これあげるよ」