走馬灯
兄ちゃんに送られた手紙には、

便箋5枚にびっちりと

美奈の悪口が綴られていた。


もちろん兄ちゃんも

美奈のことは知っているし、

亡くなった石ちゃんのことも知っている。


“お前美奈となんかしたのか?”

ひなの病気のことを知らない兄ちゃんに

こう聞かれた。


俺は即答で

“あるわけないだろ!!そんなこと。”

“そうだよな~。でもすごかったぞ。手紙。”


『あの美奈という女はゆうじさんを誘惑し、

帰りたがるゆうじさんを帰らせず、

自分の言いなりにさせようとするのです。』


『あんな泥棒ネコに

ゆうじさんを渡すわけにはいかなのです。』


『あの美奈という女は売女で、

ゆうじさん以外にもたくさんの他の男の人を

誘惑しているのです。』


“美奈ってそんな女じゃないよな~。”

と兄ちゃんは言った。











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