走馬灯
一通り報告を終えて

兄ちゃんは帰って行った。

今度彼女を連れて来ると言い残して・・・。


兄ちゃんは

職場の近くに引っ越すと言っていた。

俺のアパートからは

片道1時間半以上かかるな。

きっと。


兄ちゃんが来てくれて

俺の気持ちが

だいぶ穏やかになっていた。


離婚には正直とても驚いたが

子供たちのことは

義姉さんに任せておけば安心だな。

それは兄ちゃんも太鼓判を押していた。


しかし考えれば考えるほど無責任だな。

我が兄ながら・・・。


と俺は自分をとっても高い棚に上げながら

思っていた。


俺にも

兄ちゃんほどのいい加減さがあったなら

あるいはこうはなっていなかったかもしれない。


でももう振り返らない。

とりあえず今は

早く病気を治して退院したい。

< 142 / 203 >

この作品をシェア

pagetop