走馬灯
幸福
俺の通っている病院には

アルコール外来と診療内科がある。

ひなは診療内科に通院していた。

小柄でかわいらしい顔立ちの彼女は、

すぐに俺の目をひいた。


でも先に声をかけてきたのはひなの方だった。


“お昼もう食べましたか?”

“まだだけど・・・。”

“じゃあご一緒にいかがですか。”

この時には

本当に意気投合して

何時間もいろんな話をした。


ひなはそううつ病で

このクリニックに通院しているらしい。

普段は普通のOLをしていて、

仕事もごく普通にこなしている。

周りも誰も彼女が通院していることを知らない。

彼女もまたクリニックのそばで一人暮らしをしていた。


そして俺の家とも結構近かった。

最初はよくおかずを届けてくれた。
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