〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
-3-
会議室から自分の席に戻って、隣のデスクの西嶋君に、
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、」
と、声をかける。
「なんですか? 斉木さん」
キーボードから顔を上げる彼に、
「……開発事業部の重成さんっていう人、知ってる?」
尋ねてみる。
西嶋君は、開発事業部へよく出入りしていて、彼なら知ってるんじゃないかと思った。
「重成さんですか? ああ、知ってますよ、もちろん」
応えて、
「有名ですからね、重成さんって」
そう付け加えた。