〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
置かれたキャンディーの意味は知れないまま、口に入れると、ミントの香りがふわりと広がった。
キャンディーを舐めながら、部長に指定された資料を取りに、エレベーターで地下の資料室に向かうと、そこには誰か先客がいるようだった。
資料室では、あまり人と出会うようなことは少なくて、人がいるなんて珍しいなと思いながら、中に入った。
資料が並んだ書棚の奥で、コツリコツリと紳士靴の音が響いていて、いるのは男性なんだと思う。
ファイルを抜き出しては、中を確かめていると、
「……そこにいるのは……」
書棚の向こうから、声がかけられた。