〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
「ああ、すいません。先にいらしたのに、あいさつもなしで」
そう返すと、
「……やっぱりだ。……斉木さんだろ?」
ファイルを抜いてできた棚の隙間から、あの人の顔が覗いていた。
「……また、あなたなの?」
そんな言葉が、口をついて出る。
「……またって、俺と会ったのが不服そうだな?」
言いながら、私のすぐ脇へと回ってきて、付けているらしいメンズコロンが真近に漂ってくる。