〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
「……こんなの、キスのうちに入らない。唇が触っただけだ」
言う彼を、叩こうとした手が、再び捕らえられる。
「……もう、私に近づかないでください」
手を振り払い、資料を抱えて出て行こうとするのに、
「なぜ、俺を避ける……」
にわかに沈んだような声が聞こえて、
「あんなことをしておいて、当たり前じゃないですか……」
一瞬、足を止める。
「……いけないのか? あんなことをしたら……」
「……決まってるじゃないですか」
ふいに、背中越しに首筋に腕が回されて、
「…俺を、避けるな…」
切なげな声が響く。