〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
後日談
ーー会社の階段で、上から降りてきた彼……重成 匡一と目が合った。
「…あ」と、声に出すと、
通りすぎる瞬間に、手首をぐいと引いて、
耳のすぐそばへ口づけて、「……愛してる」声をひそめた。
耳が熱くなって、階段の真ん中で固まって動けなくなるのに、
「じゃあ、またな…」
そのまま、振り向きもしないで降りて行ってしまう。